パステルで描くちょっとしたコツ

パステルで描くと言ってもさまざまな描き方があります。教室では、こんな風な感じにしたいと、生徒さんの想いはさまざまです。

そんなみなさんが、よく苦戦してしまう点がいくつかあります。

今回は生徒さんの作品を通して、ポイントを紹介していきます。

丸みの方向に沿ってぼかす

こちらの生徒さんは、イルカを描いていました。


イルカの体のフォルムの表現は体の丸みの方向を意識してぼかしていきます。
光と影の部分をよくみて明るい部分と暗い部分を入れてからそこをグラデーションで繋いでいきます。暗い部分の面が多いかもしれないし明るい部分の面が多いかもしれませんね。グラデーションと言っても表情が違うことを意識してください。

さらに膨らみ具合がどんな感じなのか、平べったい丸みなのか、やや盛り上がった感じの丸みなのか、高い位置からどの方向にながれているのかなど意識してグラデーションで光と影を繋いで面を作っていきます。

空の雲の感じも奥行きが出ていい感じですね。自由なイメージで楽しんで描かれました。素敵ですね。

レカンフラワーとのコラボに向けて

こちらの生徒さんは、レカンフラワーをされているそうです。
レカンフラワーってどんなものなのか、初めて聞く単語に、簡単に教えていただきました。その上で、ご本人はレカンフラワーの背景をパステルを使って作りたいとのことでした。

生花や生葉を自然の色と形のままの状態で立体的に乾燥させ、フレームなどに飾り付ける花が主役。

紙面に接着できること。パステルを厚塗りしてしまうともしかしたらうまく活着できるのかなぁ…。

大きさは、ひとまず15センチ角程度。
ブラシを使って風景を描いてみることになりました。
紙は、肌理の細かいコットン紙を使ってみることにしました。

パステルブラシを使って柔らかな軽い表現で主役の花を引き立てるように意識します。
風景のノウハウは、後日として、まずはどんな表現方法があるのかを紹介していきました。

パステルブラシで描く時には、薄い塗りになってしまいますが、もっと濃く表現したい時には、パステルブラシで描いてはフィキサチーフで定着させてを繰り返し行います。結構濃くかけるものです。

今回使用したコットンペーパーは、木目が細かいので、小さい作品には、凸凹が気にならず描くことができます。

さらに、虹やシャボン玉などの描き方をアドバイスしていきました。

風景では、奥行きや広がりを印象付けたいところです。
一番遠いところに向けて小さく淡くしていくのがポイントです。
ここに花が飾られるのをイメージして描いていかれました。

完成品が楽しみですね。

縦の面と横の面

小さな作品を仕上げていかれた生徒さん。
今回は風景の縦の面と横の面についてお話しします。

山、川、木々、空などなど。風景のかもしだす世界観は描き手によって違いはありますが、パステルで描いていく時、こんな風に捉えてみるのも一つの手です。

それは、床面に平行な水面とか地面とかの横の面とそれに対して床面に垂直な山とか木々とかの縦の面として捉えてみてください。

さらにその面は遠近法で消失点に向けて小さくなっていきます。
近景は色も濃くてくっきりとしています。遠景は色も薄く小さくてぼんやりとよくわからないぐらい。中景はその間ぐらいですね。

山は、岩の凸凹をパステル鉛筆を使って、やや極端かなと思うくらい影と光を入れます。それをシェーパー で整えていきます。大まかですが、これは縦の面として捉え色の運び方、ぼかし方も縦方向になります。
川の水面は横の面として捉えパステルの運び方も横に動かします。
草の生えている中洲などは、水面との境目に濃い影色を入れると水面が一層輝きます。
ここで草は縦の面水面は横の面ですね。

ちょっとしたコツです。

これからも、いっぱい楽しんで描いて下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です